体の不調を改善させる!!整形外科で行う事ができる治療とは?!

整形外科の患者層で最も多いのはやはり高齢者です。しかし、骨や筋肉など運動器の障害は若年層にも多く、職業病の腰痛などは働き盛り世代などにもみられます。ここでは、体をサポートしてくれる整形外科の特徴について色々お届けします。

整形外科の基礎知識

整形外科

整形外科の社会的ニーズとは?

現代日本では高齢化が進んでおり、整形外科の需要と言うのは大きく高まっています。総合病院等の大きな病院に行くとよく分かると思いますが、どの病院でも整形外科は患者さんで常に溢れています。また、病院のウェブサイト等で紹介されている事ですが、手術件数や入院患者数も他の診療科よりも多い傾向にあるのが整形外科です。
整形外科の需要が現代において高まっている要因は、もちろん時代の高齢化だけではありません。労働災害、交通事故、スポーツ障害、外傷等の増加も大きく関係しています。このように、整形外科と言うのは、生涯を通じて生活サポートする為に必要な診療科であると言えます。

整形外科とは?

整形外科とは、運動器官を構成するすべての組織の病態の解明と治療法の開発および診療を行う専門領域です。つまり骨、軟骨、筋、靭帯、神経などの疾病・外傷を対象としており、その対象は脊椎・脊髄、骨盤、上肢、下肢等、広範囲に及びます。新生児、小児、学童、成人、高齢者の全ての年齢層が対象になっています。その内容は多岐に渡るので、治療の必要な患者数が極めて多い診療ジャンルである事が特徴です。

整形外科に掛かっている患者の傾向…

厚生労働省の調査では、最も整形外科の患者で多いのは腰痛患者であるという結果が出ています。その次に手足の関節痛等です。高齢化社会の日本では、どうしても加齢と共に発症しやすくなってくる腰痛、肩こり、変形性関節症と言った疾患で悩む方が多くなります。もちろん、整形外科で扱う疾患はそれだけに限りません。外傷、スポーツ、手等、運動器全ての疾患が対象です。

整形外科の診療とは?

主な整形外科の診療には、骨折、脱臼、打撲、切り傷と言った外傷、肩こり、腰痛、関節痛等の日常的な身体の痛みや違和感等も含まれています。なので、整形外科が患者に行う治療は、病気や怪我を治す事をはじめ、運動機能を元の状態に戻すリハビリテーションも含まれています。他にも、リウマチや神経痛等の疾患治療、偏平足や外反母趾等、整形外科疾患に関連している障害治療も行っている所は沢山あります。

・リウマチ

関節が腫れて関節変形する病気
関節リウマチは、関節が炎症して軟骨や骨が破壊される事で関節機能が損なわれ、長期間の放置で関節が変形する病気です。リウマチの症状には、腫れや激しい痛みを発症するので、関節を動かさずとも痛みが生じます。特に、手足の関節でリウマチの発症は起こりやすくなっており、左右関節で同時に症状が発生すると言う点も特徴です。また、発熱や疲れやすいと言うような食欲不振症状が生じ、関節の炎症が体の肺や血管等、全体に痛みが広がるケースもあります。
免疫系が体の組織を攻撃する
関節リウマチは、免疫の働きに異常が生じる事で関節の腫れと痛みが伴います。基本的に、免疫と言うのは、外部から体内に侵入してきた細菌やウイルス等を攻撃したり破壊したりして、悪い物を排除する働きを担っています。しかし、免疫自体に異常が生じると、誤って細胞や組織を攻撃します。それが原因で、炎症が発生して関節の腫れや痛みと言う形で体の不調に現れます。その炎症が続く事で、関節周囲の滑膜が腫れ上がって、炎症をさらに悪化させて骨や軟骨を破壊していきます。

・神経痛

体に痛みを生じる病気
神経痛は、神経痛と末梢神経が何らかの刺激を受ける事で発生する痛みです。神経痛の原因には色々な要因が考えられるのですが、症状の特徴としては「ぴりぴり」「じんじん」と言うような、まるで電気が走る痛みを感じます。原因となる疾患が色々あるので、適切な治療を受ける為にも、しっかり診断を受ける事が大事になります。正しく神経痛を対処していく為にも、専門医療機関の受診が重要になります。
神経痛の原因
・坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)
坐骨神経は、臀部から大腿後面、下腿、足の感覚、筋肉を支配しています。坐骨神経痛とは、腰部椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、変性側弯症等の病気が原因となって引き起こる神経痛となっています。

・三叉神経痛(さんさしんけいつう)
三叉神経は、顔面感覚を支配しており、血管が神経に触れる事で顔面一部に生じる神経痛です。また、体内に潜伏している水筒帯状疱疹ウイルスの再活性化によって、肋間神経等に神経痛が発生する場合もあります。再活性化は、ステロイドの使用、体の疲れ、睡眠不足、ストレス等が要因となって引き起こります。他にも、手根管症候群と言われている病気と関連して生じる場合もあります。

整形外科の診療内容方法とは?

体の運動機能回復を目指す治療

整形外科の診療内容と言うと多岐に渡るのですが、行われている治療は単に病気や怪我を治す為のものでは決してありません。病気や怪我等の障害を負った事で衰えた運動機能を元に戻すサポートも大切な治療内容の一つです。また、体の怪我の状態や病状によっては、元の体に完全に戻すと言う事が難しい場合もあります。
こうした困難な体の状態においても、最大限に残された機能を使って元の体の状態になるべく近づくように治療が行われます。なので、病気や怪我の治療の他にも、身体リハビリにも力を注いだ総合的治療が行われます。

痛みを取って緩和される治療

体に障害を受けてしまうと、運動機能回復をはじめ、痛みを主訴とする患者に対する治療を行う事も整形外科の主要な役割なのです。痛みに悩んでいる患者の中には、異常がないのに痛みについて悩んでいると言う方もいます。こうした悩みを持つ患者の痛緩和も整形外科の大切な治療内容の1つとなっています。

手術的治療と保存的治療を行う

整形外科と聞くと、治療内容としてのイメージは手術とイメージする方が多いと思いますが、手術を行わない治療方法が行われる事もあります。また、整形外科が行っている手術は沢山の種類があって、脊髄・脊椎、神経、腱、骨、関節があります。他にも、切断された手足や指などの再接合手術が行われることもあります。

サブスペシャリティの専門医とは?

整形外科医は、日本整形外科学会が認定する整形外科専医資格を取得する事で、一般整形外科診療を行う事ができます。通常の整形外科専門医資格を取得した後に、それぞれの専門領域に進んで行く医師は沢山います。その専門領域と言うのは、とても多岐に渡っており、専門的に診察していくリウマチ医、スポーツ障害や外傷専門に見るスポーツ医、脊椎脊髄外科医、関節外科医、手や足の外科医、骨・軟部腫瘍医、骨代謝・骨粗鬆症医、小児整形外科医など細かく分かれています。このような医師の事をサブスペシャリティと言います。
なので、整形外科を自分で選ぶ際には、自分の体の症状に合った専門医を事前に確認しておくと、今の症状に沿った適切な治療を受けやすくなります。

まとめ

整形外科は、運動器官の病気やケガを治して、体を回復させる事が目的です。全ての医療に言える事ですが、治療方法が現代は進歩していたとしても、早期発見・早期治療はとても大切です。
関節や筋肉等に不調や痛みがある際には、なるべく早く整形外科に相談する事が大事です。